心電図がわからないなら、コレを読め!!
心電図。
これも日々業務をこなしている上で苦手意識が蓄積されていくものです。
俺自身、未だに得意分野ではありません。
日々、半信半疑で解読してます。
「ピコーン、ピコーン」
とアラームが鳴り響き、
「び〜び〜び〜」
と印刷した心電図は
「心臓からのモールス信号、解読中」
みたいな気分で憂鬱です。
しかし、
「俺が看護士している間にはかわらない事は覚えたい」
という考えを常に持つように心がけていて、
たとえば来年度から
「四肢誘導やめます」
とか
「V1〜V3を第2肋間に変更します。」
とかにはならないでしょ。たぶん。
ですので、こう考えときゃ1回で覚えよう、という気にはなる。
なるけれど、覚えれるかどうかは別問題でもある。
そこで、おすすめしたい本はコレだ!
- 作者: 奥出潤
- 出版社/メーカー: 医学書院
- 発売日: 2003/09
- メディア: 単行本
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まず、おすすめポイントとしては
心電図本でやたら数多い
「見て覚えよう!」
「ドリルで覚えよう!」
という、体育会系本ではなくて
「理屈で覚えちゃえば、こんな波形になるんですよ」と文科系本として説明していることである。
さぁ!この波形はなんだ!答えてみろ!
ばっかやろ〜う!もう一度やり直しだ!!
的なスタンスは一切ない。
ここが「心電図アレルギー看護師」には、まず朗報だろう。
じゃぁ、「その理屈が難しいんだよ!」と至極全うなお考えのあなたに、またまた朗報。
著者の奥出潤氏は「あとがき」で
「例えば「電気軸は何度だ?」とか「副伝導路の種類は?」などとナースに電話で尋ねるドクターなんて絶対にいません。(P164)」
と言い、さらには
「その一方、「Afかサイナスか?」「STは上昇しているか?」などについては、きちんと理解してドクターに報告できないと困るわけです。(P164)」
と、もっとも臨床的な発言をされています。
そう、この本は終始一貫して「臨床で必要なことを優先した内容」となっています。
そして
「刺激伝導系や、イオンの出入りというのは代表的なもので、せっかく心電図のテキストを買ってもこのあたりで脱落する人が多いこともわかりました。(P165)」
と、
「おおっ!それ、俺のことやん!」
と叫びたくなるような一文まで書いてくれています。
ですので、本文中の「刺激伝導系」と「イオン」の部分はバッサリ簡略化されています。
それでいて、分極・脱分極を説明できるのだから素敵としか言いようがありません。
「興味が湧いてもっと深く勉強したくなったら、良い本がたくさん出ているからね(P32)」
と、見事他の本に委ねている一文すら出てきますが、
そもそも著者である奥出潤先生は、「循環器外科」、いわゆる「心外の先生」であるようでして、
「心電図の専門家ではない私がとうとう心電図のテキストを書くことになったのです(P165)」
と自ら言われるように、心電図は本来循環器内科が専門と言えます。
ですが、専門外と自覚している人が作る本のほうが逆にわかりやすいというは多々あり、
この本もその良い一例なのです。
この本は読み物としても、サクサク読めるようになっていて
勤務1年目の新人ナース:アキ
消化器内科病棟の主任:主任
心臓血管外科のチーフ、ICUスタッフも兼任:Dr.O
という、おそらく実在する3人の会話で構成されています。
じゃなきゃ、ワザワザ消化器内科病棟の主任が登場するか?
それはさておき、目次は以下の通り。
1章:心電図の勉強を始めよう!
2章:まずは心電図の基本から
3章:心電図の成り立ちを理解しよう
4章:実際の心電図を見てみよう
5章:患者さんの心電図を読みとろう
6章:こんな心電図も知っておきたい
7章:学んだことを臨床に活かそう
これらを、
「これは覚えなくていいよ」
「丸覚えしておこう」
など、会話の中でルールを提示してくれています。
ズバリ
「何を覚えるべきか」
を端的に示してくれており、単純に勉強しやすい。
それに、説明がうまい。
心電図波形の3つのルールの1つである
◎近づいてくる時は上向き、遠ざかって行く時は下向き
なんかは、目からウロコだったなぁ。
そして簡単に書き記された心臓の絵で説明されると
「こんなもんか」
と、肩の力が抜けて見れる。
そう、リアルな図解は時に難解さをアピールしている部分もあるのだ。
とまぁ、百聞は一見にしかずで
心電図アレルギーの強い看護師ほど読んでくれ!
てか、読むしかないぜ!!
という思いがあるのだが、
本文中P11にある「理想ナースからの電話」という内容が読んでも分からない奴!!!
一部抜粋
(・・・ベースはサイナスで、PVCが散発していますが、連発やランはないようです。12誘導をとってみたとこ2・3(ローマ数字が出ないのでごめん)・aVFでもSTが5mmくらい上昇しているんです・・・)
この本、絶対に買えっ!!
コレ、読み終わったら絶対にわかるようになってるから!!
170ページで1890円!!
この手の本にしては良心的価格!!
超おすすめです!!
ありがとう!奥出潤先生!
ありがとう!医学書院!
↓なんとなく入ってみました。おもろかったら押してくださいまし。
↓医学書院は教科書だけではなかったのね!
- 作者: 茨木保
- 出版社/メーカー: 医学書院
- 発売日: 2008/02/01
- メディア: 単行本
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