侍ナース!!

アラフォー男性看護師長が、偏見に満ち溢れた極論で看護の世界を斬る!

この手のニュース、どうしても考えてしまう

こんなニュースが見受けられます。
以下、記事提供は読売新聞より抜粋



秋田県大館市消防本部は10日、市消防署北分署の男性消防士長(38)が、救急車で搬送中の女性(78)に対し、気道確保のための気管チューブを誤って挿入する事故があったと発表した。


同消防本部によると、9日午後6時45分頃、女性の親族から「風呂で倒れた」と119番があり、消防士長ら3人が女性宅へ駆け付けた。


女性の心肺停止を確認した消防士長らは救急車での搬送を決定。午後7時5分頃、受け入れ先の市立扇田病院の医師から携帯電話で指示を受け、ビニール製のチューブ(直径7・5ミリ、長さ21センチ)を女性の口内へ挿入した。


同7時20分頃に病院に到着するまで胃の中へ送り続けられた。到着後、医師の診察で誤挿入が発覚し、同8時30分頃、女性は死亡が確認された。死因は水死だった。





要するに、
おばあちゃんが風呂で倒れてるのを、家族が発見した。
急いで、119番へ電話した。
消防車にのって現場に駆けつけた救急隊員が、電話確認による「医師指示のもと」気管内挿管を行ったが、
気管ではなく胃(正式には食道)へ入れてしまった。
誤挿管には搬送中気付かず、病院に到着してから医師が誤挿管だと気がついた・・・



2度の挿入確認も消防士長1人で行っており、同本部は事故の原因を「チューブが正しく挿入されているかどうか、複数の救急救命士で確認しなかったため」としている。



そりゃあ、ダブルチェックしないのはいけないな。
ましてや3人も居たんでしょう。
ま、1人は運転手としても、ヤッパリ違う眼、耳で確認しないといけない。
うん、そりゃ、責められて当然だ。

そして、それは医療者にとって「明日は我が身」な教訓でもある。



女性は搬送先の病院で死亡した。気管チューブの誤挿入は県内初の事例といい、市は今後、再発防止策を徹底するとともに消防士長らの懲戒処分を検討する。


記者会見した石井直文消防長(58)は「市民の信頼を裏切り深くおわび申し上げたい」と謝罪。「適切な処置をしていれば、亡くならずに済んだ可能性があったかも知れない」と述べ、今後、県の医療協議会で誤挿入と死亡との因果関係などを検証するとした。


気道にチューブを入れる応急処置は2004年7月から、医師のほか、資格を得た救急救命士も行えるようになった。消防士長は08年12月に資格を取得しており、挿管は今回が4回目だったという。


小畑元・大館市長は「誠に遺憾。大切な任務を担うほど正確な処置が必要で、再発防止を徹底したい」とコメントした。





と、このように記事は締めくくられている。


が、ちと疑念が消えないなぁ。


まず、確認のため再度述べておくが
「挿管確認が甘かった」ことは間違いない。
ましてや、4回目の挿管手技ならもっと臆病でいなくてはいけない。



・・・・と、俺ごときに言われなくても、この救急隊員は
「命を救いたかったから、挿管をした」はずだ。



救急現場に
「年寄りだからほっとく」
「若いから助ける」
という理屈はない。

救急隊員が呼ばれた、と言うことは助けたい、助けないといけない使命なのだ。



だけど、
何か理由があってバタついて確認できなかったのかもしれない。
酸素濃度が上がらない、血圧が上がらない、意識レベルが改善しない
もしかしたら、心停止していて胸骨圧迫(いわゆる心マ)していたのかもしれない。
1人が運転、
1人がアンビューバッグもむ(挿管したらラグビーボールのような風船をつなげて酸素を送る、そのバッグのこと)
1人が心マしてる・・・・・とか。



そんな時の15分は一瞬だ。






しかしまるでこの記事自体は
「挿管さえしていれば助かった」
かのように書かれていることに、違和感を感じる。



挿管は簡単な手技ではない。

単純に太っている人や首が短いひと、
顎が小さい人や口が開かない人、
リュウマチの人や頚椎に病気がある人などは
一応に難しい例が多い。


しかし、ここではこんな事実?詳細?はどうでもよくて
「救急隊員が挿管に失敗して患者が死亡した」
と言うかいつまんだ事実だけが重要視されている。





そもそも「風呂で倒れていた」のに、死因が「水死」なのがおかしい。
それならまずは「溺れていた、だろ?」と思うのが普通だろう。


もしそれなら、「溺れた原因」がないとおかしい。
例えば「脳内出血」とか。




大半が救急隊員を擁護するような文章になったが、
この記事の意味合い、というか、書き方、にどうしても違和感を感じてしまうのだ。




ここまで大きな記事になり、
救急隊員に責任を押し付け、懲戒処分を検討されるのならば、
一時期あれほど救急隊員が挿管することの必要性をメディアは取り上げ、
やっと法制化までにたどり着いた事に矛盾しているとも思える。




救急隊員に医療行為を国が認めたのなら、それなりの覚悟が必要だろう。






最後に、このニュースを読んで思うことは

医師免は神の免許だな、

と、最大の皮肉を最後に吐露しておきたい。





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